休日や給与が決め手 18年度の新入社員意識調査
2018.05.15(火)
自分の時間を大切に 売り手市場就職状況など背景
忍耐力、協調性、集中力は自信あり
この意識調査は、北海道同友会が今春開催した合同入社式と新入社員研修会(札幌、とかち、くしろ、道北あさひかわ、函館、オホーツク)の参加者を対象に行いました。男女別、学歴別の内訳は(表1)の通りです。今年は厳しい新卒採用状況を受けて、昨年より23%少ないサンプル数となっています。学歴別では高校生が3㌽減少し、大学生が3㌽増えています。
■会社選びの基準
「会社選びの基準・決め手(図1)」では、就職活動スタート時と入社を決めた時でそれぞれ尋ねたところ、共にトップは昨年同様「仕事内容」でしたが、就職活動を始めた頃に2番目だった「職場の雰囲気」が、入社を決めた時には4番となり、「勤務時間、休日、休暇」「給料、ボーナス、昇給」が決め手の2番、3番にきています。就職活動を始めた時には仕事の内容や職場の雰囲気を重視していましたが、最終段階では仕事の内容と休日や賃金面を決め手にしていることがうかがえます。
■働く目的に変化
昨年までは「創造的に仕事をして自分の人間的成長をはかるため」が大卒、専門卒共に働く目的のトップでしたが、今年は「お金を得て、趣味などを楽しむため」が1番となり、大卒では7㌽増、専門卒では10㌽も増えています。高卒は逆に「創造的に仕事」「お金を得て」の順になっています(図2)。
また、「働くうえでできれば避けたいこと(図3)」を男女別で聞いたところ、男性は「休日出勤」「転勤」「残業」の順となり、女性は「転勤」「休日出勤」「残業」の順となりました。
社会人として自信があることは「忍耐力」「協調性」「集中力」、自信がないことは「積極性」「対人対応力」「社交性」の順になっています。
■新聞読まず9割
「毎日新聞を読んでいますか」の設問には91・1%が新聞を読んでいないと回答、昨年より2㌽増えました(図4)。理由として「新聞をとっていない」「インターネットで情報を得ている」「テレビで情報を得ている」の順となっています。
現在関心のある社会問題は、「高齢化社会」「消費税」「年金問題」がトップ3で、「所得格差」「憲法改正問題」が昨年より増加傾向です。
以上の結果から、売り手市場といわれる就職状況、奨学金や格差社会など社会問題を背景にして、仕事の内容や職場の雰囲気を確かめつつも、最終的には休日や給与などの待遇面で職場を決めていることが分かります。また、働く目的は収入を重視し、自分の時間を大切にする傾向にあると言えます。
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