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2020年7-9月期(第Ⅲ期)景況調査の動向

2020.10.23(金)

2020年7~9月期(第Ⅲ期)景況調査を9月18日~9月25日まで実施し、163社から回答がありました。7月19日に開催した支部政策委員会では、大貝氏の調査結果をもとに、景況を意見交換しました。
前回調査では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の影響が大きく、2008年の世界同時不況時期と同程度の水準にまで落ち込んだが、今期はその反動から景況感が改善されています。しかし、次期に目を向けてみると、今期と同水準ないしはやや悪化の見通しとなっている。ウィズコロナを見据えて経済活動が動き始めたものの、欧州で「第二波」の拡大があるように、道内でも今冬にかけて感染拡大が再燃する懸念、それに伴う経済活動停滞への不安をぬぐい切れない。それらの要因が次期見通しの弱さにつながっていると考えられます。

全体としては、業界の状況DIは前期▲51.4→今期▲41.6、各社の業況を示す業況判断DIは▲38.5→▲26.5、各社の売上高DIは▲35.9→▲30.9、収益状況は▲35.5→▲30.9へと改善を示す指標がおおいものの、前回の大幅な落ち込みをカバーするに至ってはいません。

次期見通しは、業界の状況DIが▲43.4Pt、業況判断DI▲29.0Pt、売上高DI▲31.3Pt、収益状況DIは▲31.3Ptと、同水準ないしはやや悪化の見通しとなりました。
札幌支部の会員構成は「5人未満」「5~10人未満」「10~20人未満」「20~50人未満」「50人以上」のそれぞれが約20%となっています。業界の状況を規模別に見ると、「5人未満」が33.4Ptと最も改善幅が大きく、次いで「10~20人未満」の15.2Ptとなっていますが、次期見通しでは「10~20人未満」が▲6.1Pt、「5~10人未満」が▲3.6pt悪化すると見ています。

業種別にみると、建設業の業界状況DIは1.7ptの改善にとどまったものの、製造業では13.9pt、流通商業は9.5pt、サービス業でも10.3ptの大幅な改善となりました。次期見通しは、建設業が▲3.0pt、製造業は▲2.0pt、流通商業は▲5.7pt、サービス業が▲3.8ptの悪化見通しとなりました。

経営上の問題点のトップは「民間需要の停滞」となり、続いて「従業員の不足」と「人件費の増加」が続いています。
今回の自由記述欄では、「自社における新型コロナウイルスへの感染対策、感染者が出た場合の対応策」について尋ねました。建設業で特徴的だったのは「アポなしの営業や来客は断っている。感染者が出た場合、全員自宅待機と決めて通達している」。製造業からは「マニュアルを作成した」、「4月から社員全員を自家用車での通勤に変更した」。流通商業では「マスクは社員家族にも支給。消毒用アルコールを車に常備した」「自社の新型コロナウイルス対策マニュアルの周知徹底」。サービス業からは、「新北海道スタイルの周知徹底」、「テレワーク。時差出勤」、「疑わしき社員への抗体検査と出社制限」等の取り組みが共有されました。

10月19日に実施された景況調査分析会議では、「観光業界はコロナの影響を大きく受けたが、Go Toキャンペーンや小中学校の修学旅行などがあり持ち直している」といった企業経営、業界の動向に関してのコメントのほか、「コロナ禍で会社のウェブサイトを見て依頼をしてくる人が増えた」というような、webの活用次第で可能性が広がるのではないか、といった意見も聞かれました。
未だ終息が見えないコロナ状況にあって、引き続き、厳しい経営状況が継続することが予想されます。この難局を乗り切るためにも全社一丸の体制づくりが必要不可欠です。

 

     2020年10月23日 北海道中小企業家同友会札幌支部政策委員会

2020年7-9月期(第Ⅲ期)景況調査の動向(web公開用).

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