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札幌支部経営指針委員会 メールマガジン vol.6

2022.01.21(金)

北海道中小企業家同友会札幌支部
経営指針委員会メールマガジン 「月刊 経営指針」 Vol.6
発行人:経営指針委員会 副委員長 三原広聡

このメールマガジンは、札幌支部会員の皆様に月に一度、同友会活動の根幹となる経営指針成文化運動に関するさまざまな情報をお送りするメールマガジンです。

今回は、札幌支部の経営指針研究会を支えるサポーター制度についてご紹介します。

【札幌支部経営指針研究会サポーター制度について】
札幌支部経営指針研究会では、同友会の「自主・民主・連帯」の理念に基づいて研究生による自主的な運営がなされることが基本となっています。研究生同士が共に研鑽しあいながら自身の経営指針を作成する場であって、決して「先生」が何かを教えてくれる場ではありません。それでも、研究生の皆さんは自身の経営について悩みながら、仲間との討議を重ねて経営指針作りに臨んでいらっしゃいますので、時には助言が欲しい時もあるでしょう。また、同友会ならではの「労使見解に基づく指針作り」には、指針成文化経験者の知見が必要な場合もあると思います。

このため、札幌支部経営指針委員会では研究生の活動を支えるためにサポーター制度を導入しています。サポーター制度は経営指針研究会を修了した経営指針委員によって組織され、運営されています(サポーターになる事で委員会に入っていただく場合もあります)。
先述のように、サポーターは現役研究生に何かを教える立場ではありません。時に議論が脱線した時に軌道修正を促したり、研究生の悩みを共に考えたり、必要に応じて自身の経験を生かして助言するというのが札幌支部経営指針委員会のスタイルとなっています。

今年度開催中の、第18期経営指針研究会は4グループ(1グループ4名)ありますが、各グループに2~3人のサポーターが専任で付いて、研究生と共に活動しています。サポーターは年に数回サポーター会議を開催しており、各グループの進捗情報の交換や支援ノウハウの共有、フィードバックを通してサポートの質的向上に努めています。

【サポーター座談会】
では、サポーターは実際にどのようなことを考え、研究生を支援しているのでしょうか?今回は第18期経営指針研究会を支える現役サポーターに集まっていただき、その意義や魅力について存分に語っていただきました。

<参加者>
株式会社たいわや  代表取締役 中村文昭さん (経営指針委員会 副委員長)
株式会社ライトン  代表取締役 竹内 康さん (経営指針委員会 委員)
<進行役>
有限会社トライアド 代表取締役 三原 広聡 (経営指針委員会 副委員長)

■今日はベテランサポーターの中村さんと、今期からサポーターをしていただいている竹内さんのお二方にお話をお伺いします。
まずはベテランの中村さんから、なぜサポーターをしようと思ったのか、動機などについてお伺いできますか?

中村:私の場合、まず研究会を1年間やってみて、やっと経営指針が何かわかってきたのです。そこでもう一回経営指針を学びたいと思ったのがきっかけです。研究生の一年間は書類づくりに追われて、何も考えずにやっていたところがありました。終わったところで初めて「あ、そういう事か」と気付いたのです。ああ、これはまたやり直さないといかんなと。

竹内:私も全く同じで、一年やってテキストを読みながらある程度形にしてみたのですが、テキストに書いてあることや、周りに言われたことを自分の指針に反映させるべきかどうかを考えることさえできなかったです。これはやり直さないといけないと思いました。
その時に、サポーターになるか経営指針ゼミに入るか悩みました。結果、一から勉強し直せるのと、新しい研究生の皆さんがどのように指針を作っていくのかを間近で見てみたいとの思いでサポーターを志しました。

■なるほど、お二方とも「学び足りなかった」という動機なのですね。

竹内:研究会ではサポーターの方が色々言ってくれるじゃないですか。そもそもそれを理解していなかったというのもありますね。実際にサポーターをやることで、助言ひとつでも「ああそういう理由で言ってくれていたのだ」と理解できるようになりました。

■なるほど。では、サポーター冥利に尽きるというか、サポーターをやってみて良かったという事はありますか?

中村:私は本業も「支援者」なので特に思うのですが、やっぱり「無償の支援」が本当の支援なのだと思うのです…うーん、サポートすること自体の喜びってありますよね。
対価のある支援ってそれが「商品」として話しているのか「本当に相手のことを思って」話しているのか、結構微妙なところがあるのです。「コンサルタント」と言われる人の中には単にマウントを取りたいだけの人もいらっしゃいますし。

竹内:私は去年経営指針研究会で勉強して、サポーターはまだ1年目ですけど、去年の人も今年の人も、やっぱりやる前と後では違うというか、成長しているのですよ。言う事もどんどん変わってくるし、会社も変わってくる。そういった人や会社がダイナミックに変わる場面はなかなか見られるものではありません。
同友会での勉強会はインプット主体のものが多いですが、それですぐに変われるかというと少し難しい。でも経営指針研究会に入って、全く変わらない人っていないと思います。サポーターとして研究生の成長を目の当たりにするのはとても楽しいです。
後半は数字の話が出てきます。自分もあまり人前で自社の数字の話をしたことが無いですが、研究生がどう考えて数字を作っているのかを見られる事は、自分にとっても大変勉強になります。サポーターをすることで私も勉強させられています。

■なるほど、サポーターをすることでご自身の為にもなっているのですね。
では、逆にこれまでに辛かったことや残念な気持ちになったことってありますか?

中村:これまでの経験で、経営指針を勉強して成長する方と、できない方というのがはっきりしているなという気はしています。ご自身を変えたいと思っている経営者はやっぱり何かを得て修了されますし、なかには会社自体も成長して規模が変わったという経営者もいます。成長できなかった方というのは…そうですね、自らを変えようとしない方は変化が少ないように感じます。一年かけて成長できないとやはり残念だなあと思います。

竹内:私はまだ無いですね。自分が研究生だった時もメンバー間で助け合おうという人が多くて、誰かが挫折しそうになったらフォローしたりしていました。ただ、私もアドバイスを聞いてくれなかったり、途中で退会されたりしたら落ち込むと思います。

中村:退会にしても最後は経営者としての自分自身の問題ですからね。

■サポーターをやっていてもやもやとする事、している事はあります?

竹内:それはたくさんありますよ。まだ一年目でわからないことの方が多いです。私がサポーターやっていていいのかなといつも思います。何年かやっているとわかってくるのでしょうかね。

中村:実は今サポートしているグループで今までの「もやもや」が晴れた気がしています。経営指針の枠組みでどこまでの規模の会社にまで適応できるのかが良くわからなかったのです。今回私がサポートしているグループには個人経営者から、世界シェアを狙う大会社の現地法人まで入っています。個人事業主は哲学で事業を行うけど、大会社はいわば仕組みで事業を行うわけです。指針をやっているとその辺の違いが出てきて、個人事業者の方は仕組みの話について行けなかったりするわけです。逆に大きな会社の方は創業者の持つ理念などについて理解しがたい。それは無駄じゃないかと思ったりするわけです。その辺が、最終講に近づくにつれて互いの肚に収まっていくのを目の当たりにしました。経営指針は会社の規模に関係なく機能しますね。

■それは素晴らしい気付きですね。皆さんがおっしゃるようにサポーターをするだけでもたくさん得るものがあるわけですが、いつも人材不足で悩んでいますよね。これからサポーターを目指してくださる皆さんに向けて一言いただけますか?

中村:サポーターになる事は、人に対して親身になって本気で関わる良い機会です。経営指針研究会は一生のうちで人生をガチで語れる場所。その場に居合わせられることの喜びも得られますので、ぜひ多くの修了生に目指して欲しいですね。

竹内:皆さん「サポーターなんてまだ無理」とおっしゃるのですが、だからこそサポーターになって経営指針をもう一度学ぶのが良いと思います。
サポ―ターをしているとたくさんの気付きがあります。研究生と同じ目線で議論していきますから。自分の考えに対して直接色々と意見されることって経営者になったら中々ありません。それも心地の良い経験だと思います。

■お二方、年末のお忙しい中ありがとうございました。

【座談会を終えて】
実は途中で労使見解についての熱い議論などもあったのですが、終始サポーター同士らしい熱のこもったお話をして頂けました。サポーターは完全なボランタリーですが、それでも新たな研究生と共に学びたいと思わせる魅力が経営指針づくりにはあります。
このメルマガをお読みの皆様が経営指針づくりに挑戦したり、サポーターに興味をもってもらったりして下さると嬉しく思います。

 

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