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札幌支部経営指針委員会 メールマガジン vol.14

2022.09.01(木)

経営指針委員会メールマガジン「月刊 経営指針」8月号
Vol.14(2022年8月31日 発行担当:経営指針委員会 副委員長 三原 広聡)

同友会札幌支部の会員の皆様
このメールマガジンは、札幌支部会員の皆様に月に一度、同友会活動の根幹となる経営指針成文化運動に関するさまざまな情報をお送りするメールマガジンです。
今期は第19期経営指針研究会の活動を通して、「経営指針作成ではどんなことをやっているのか知りたい」「もう少し気軽に経営指針成文化に取り組めないか?」といった会員の皆様のご要望にお応えしたプログラムをお送りいたします。

 

<「経営指針中間報告会」が開催されました>

去る8月6日土曜日、札幌支部経営指針研究会では中間の山場ともいえる、「中間報告会」が開催されました。「中間報告会」は従来一泊二日で行われていた「経営理念」と「10年ビジョン」の発表、研究会の他グループメンバーとの意見交換、交流を目的としたイベントです。今般の感染症問題により、2020年、2021年は宿泊無しの1日プログラム(ともにリアル開催)として開催されていました。

この「中間報告会」で得られる気付きは大変大きく、この日のセッションを終えて「経営理念」や「10年ビジョン」を書き直す研究生も少なくありません。経営指針の土台となるこの二つについて、研究生とサポーターが一体となって考え抜くのが、この「中間報告会」なのです。一泊していた頃は、「お酒が入ってリラックスしてこそ深い話ができた」という意見や、「泊まることで一体感が生まれ、お互いをよく知り合うことで後半の議論が深まる」といった意見もあり、これを1日のプログラムにしてしまうには経営指針委員一同大いに悩んだのも事実です。

<リアルな交流が肝の「中間報告会」最大のピンチ>

さて、今期の第19期の運営においても、「中間報告会を一泊で実施するか否か」は大きな悩みでした。今年も第6波が長引き、研究生の意見も聞いていく中で一泊は難しいという結論になりました。幸い、2020年、2021年と宿泊しないでどのように成立させるかのノウハウを蓄積してきていたため、方向性は見えていました。

一泊せずに「中間報告会」を実施するために欠かせない要素は何か?経営指針委員会ではその点にこだわって議論を重ねました。私たちの結論は、「他グループとの意見交換をどれだけ重層的に行えるか。」でした。一緒に酒を酌み交わすのも、夜更けまで議論するのも難しい状況の中、本質は何かを考え抜いた結論でした。

そして、一日で他グループメンバーと重層的に意見交換をするために採用されたのが、ワールドカフェの手法を用いた「他家受粉」的意見交換の場を作る手法です。研究生は、1ユニット4~5人でテーブルを囲み、サポーターがテーブルマスターを務めます。19期はこのユニットが5つできることになります。一つのセッション(65分)が終わるとメンバーを組み替えて、別のユニットにいた研究生と議論を始めます。これを3回繰り返すことで、研究生は異なる研究生やサポーターとの意見交換をしたり、別のテーブルで話し合われた内容を共有(他家受粉)したりできるのです。2020年に初めて運用した時の反省を踏まえて翌21年にブラッシュアップ、研究生やサポーターによっては一泊よりも良いのでは?という評価が出るまでになってきました。

さて、そのような経緯で19期も宿泊無しの1日開催(朝9時半から18時半まで)、一堂に集まるリアル形式で行うという概要が決まったところで問題再燃!またしても新感染症の第7波が到来したのです。今回は実際に罹患する研究生も出て、リアル開催のみでは難しい状況になり、初めてZoomを併用したハイブリッド形式で実施せざるを得なくなりました。ハイブリッドでワールドカフェ形式のテーブル討論が成立するのか?テーブル討論の組み合わせ設定は困難を極め、当初はリアルのグループとZoomのグループが別々に討議する案が出されていました。

<そして、全く新し形の中間報告会に>

「中間報告会」の開催を目前に、討論会でのグループ分け試案が出来上がった頃、直前のサポーター会議が開かれました。サポーター各位より、「リアルとZoomを分けてしまうと、やはり多くの研究生と議論できないのではないか」との意見が出ました。そして、この時点で全てのテーブル討議を、1ユニットに2人のリアル参加者と2人のZoom参加者、そしてリアル参加のサポーターという組み合わせを5ユニット作り、メンバーを交代しながら進行する案に決定したのです。Zoomのセットも5セット同時運用することが必要となります。1ユニットに一部屋を与える必要も出てきました。組み合わせの調整は中間報告会当日の朝まで続けられたのです。

仕組みとしては大変煩雑になりましたが、大切な3回のテーブル討論は、無事有意義な形で執り行うことができました。この難問の解決に全力で協力して下さった事務局の皆さんにも感謝いたします。

ハイブリッドでの開催は、研究生の「経営指針」「10年ビジョン」の発表においても工夫を求められました。19期研究生は5グループ20名の大所帯です。このため、各自の発表に対する質問は研究生だけが行えるように改めました。Zoomの向こうにいる発表者に制限時間の到来を伝えることも困難でしたが、これは多くの研究生が時間を守って発表して下さったため問題になりませんでした。実際にふたを開けると、研究生が相互に活発な質問を行い、そのあとのグループ討論につながる素晴らしい報告会となりました。

朝9時半から18時半まで、研究生全員が長い時間を集中して過ごした「中間発表会」。発表ではこれまでの研究会での議論を反映して「経営指針」や「10年ビジョン」を書き直してきた研究生が多かった事も驚きですが、グループによっては事前に全員で発表の演習を行うなど、大変熱量の高い報告会となりました。普段意見を交わさない別のグループメンバーとの意見交換はもちろん、これまた同一グループにならない「同業者」の意見や考え方を聞けた事も刺激になったことと思います。

9月から19期経営指針研究会は経営方針・経営計画の策定という新しいステップに進みます。数字が苦手という経営者も少なくない中、どのような学びが繰り広げられるのでしょうか?お楽しみに!

<今期の経営指針委員会、もう一つの課題>

実際の経営指針研究会は、このように研究生となる経営者同士が、サポーターの支援を受けながら学び合う会なのですが、よく耳にするのが「敷居が高い」「怖いイメージがある」といった評判です。近年は「もう少しライトな勉強会にできないか?」「もっととっつきやすいものにならないか?」といったご希望も頂いています。

現在、プロジェクトリーダーの植田副委員長のもと、経営指針研究会とは何か?を、わかりやすく伝えるための広報資料を準備中とのことです。そして、経営指針研究会と並行して、もう少し簡素化した新しい経営指針成文化のスタイルを構築中です。次の報告をお待ちください。

 

札幌支部経営指針メルマガvol.14(2022年8月号)

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