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2019年 4-6月期(第Ⅱ期)景況調査の動向

2019.08.09(金)

・前回調査同様、悪くないDI 値が並ぶが、変化幅はそんなに大きくはない
・次期見通しは、今期とほぼ横ばい見通し(前回調査では「堅調」だったが、ブレーキがかかり始めたか?)
・従業員の不足感は前回と横ばい推移、人手不足感が相変わらず強い
・設備の不足感も水面下での推移ではあるが、弱まりを示す

 

2019年4~6月期(第Ⅱ期)景況調査を6月17日~6月30日まで実施し、246社から回答がありました。7月25日に開催した支部政策委員会では、大貝氏の調査結果をもとに、景況を意見交換しました。

今期は、全体として業界の状況DIは前期▲3.1→今期2.8へと3期連続で改善、各社の業況を示す業況判断DIも前期11.8→今期15.4と改善の動きを示しています。一方で売上高DIは21.8→15.9)と悪化しつつも、収益状況は10.9→11.8とはほぼ横ばい、仕入価格は41.5→43.5のやや上昇、販売価格は17.9→14.2へのやや低下となりました。

業種別にみると、建設業の業界の状況DIは22.6→20.3のやや悪化、製造業は▲37.5→▲9.8、サービス業は0.0→10.8へと大幅な改善、一方で流通商業は▲13.0→▲25.0へと大幅に悪化するなど業種による違いが目立ちました。

次期見通しでは、全体としては業界の状況DIは2.8→3.3とほぼ横ばい、業況判断DIは15.4→17.5とやや改善の見通しとなりました。今期大きく改善した製造業の業界の状況DIが▲9.8→▲31.7、業況判断DIも17.1→4.9へと大幅に悪化の見通しとなっており、改善は一時的なものとしてとらえて先行きへの不安が見受けられます。一方で今期悪化の動きを示した流通商業の業界状況DIは▲25.0→▲16.7、サービス業の業界状況DIは10.8→16.1と改善の見通しを示しています。

なお、今期の調査項目の中で一番大きな変化を表したトップ3は製造業の業界状況DI(27.7Pt上昇)、製造業の業況判断DI(17.1Pt上昇)、そして建設業の販売価格DI(16.2Pt低下)でした。

自由記述欄には、建設業からは「建設業が好調な理由は明確で、発注量に対して処理能力が伴っていないというのが大半の理由だと考えられる」「需要があっても、若年者の技術者確保すら難しいため、受注の依頼を断らざるを得ないことが増えてきた」、製造業からは「原料が高騰し、著しく経営を圧迫している。廃業に追い込まれる事業者もある」「運賃値上げによる配送経費の増大」、サービス業からは「景況感は良好」「同業での価格競争で収益低下を招いている」等々の意見が寄せられています。特に、「若年者の確保には想定以上の苦労」(建設業)、「優秀な人材の確保」(流通商業)と依然人材確保に対する厳しさが続いています。

出席委員からは、次のような声や景況感が寄せられました。

「住宅関係は忙しく、人手不足。公共工事が主な企業でも、受注できないところが多くあるようだ」「不動産では、土地、中古住宅が好調。一方で新築はあまり動いていない」との意見がある一方で、観光業では昨今の国際関係の影響を受けて、インバウンドが減少していることや、流通商業では消費税増税による駆け込み需要さえも感じられないとの懸念の声もありました。

以上の結果から、札幌支部エリアの景況は改善の動きが見えるものの、先行きは余談の許さない状況にあるといえます。「顧客との信用、信頼関係を強め、業務内容、品質、サービスの向上をはかる為、社員教育に力を入れている。また、今後もそれを実践していきたい」(建設業)と、どんな状況にも揺らがない強い会社づくりがますます重要になっています。

一般社団法人北海道中小企業家同友会札幌支部政策委員会

 

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