2021年4-6月期(第Ⅱ期)景況調査レポート
2021.07.27(火)

2021年4~6月期(第Ⅱ期)景況調査を6月17日~6月25日まで実施し、205社から回答があった。
長期化するコロナ禍の影響により、引き続き厳しい状況が予想された今期は、業界の状況DIが14.3ポイントもの大幅な改善を示したものの、依然としてマイナス14.9という結果となった。業況水準も11.6ポイントの大幅な改善でマイナス5.4など全ての全体指標において景況感は持ち直している。しかし、次期見通しに関しては、悪化の見通しとなった。
全体としては、業界の状況DIは前期▲29.3→今期▲14.9、各社の業況を示す業況判断DIは▲16.0→▲5.4、各社の売上高DIは▲16.0→▲9.8、収益状況は▲6.4→▲5.9へと大幅な改善を示しているものの、依然として厳しい状況になっている。
次期見通しは、業界の状況DIが▲19.8Pt、業況判断DI▲9.8Pt、売上高DI▲7.3Pt、収益状況DIは▲14.3Ptと、改善の見通しとなった。
経営上の問題点のトップは引き続き「民間需要の停滞(41.0%)」となり、続いて「従業員の不足(33.8%)」と「人件費の増加(27.2%)」となりました。次期の経営上の力点については前回同様「付加価値の増大(52.5%)」に続いて「新規受注の確保(49.5%)」の割合が逆転し、「人材確保(34.2%)」が3番目に多い結果となった。
今回は自由記述として「税制やコロナ関連支援施策など政府(行政)への要望」ならびに「同友会への要望」について尋ねた。政府への要望としては、「迅速なワクチン接種」、「持続化給付金の再支給。雇調金の長期的な継続」や「減税措置」などの声が多く聞かれたほか、政府ならびに行政に対する厳しい意見も多数あった。また、同友会への要望では、「企業間の情報共有の充実」や「長期化するコロナで困窮する会員企業への対応や支援措置」という回答が見られた。
ワクチン接種も期待を下回る接種率に留まっている状況にあり、まだまだ先行きが見通せない、厳しい経営環境が続くことが予想される。同友会の根幹である経営指針の実践を進め、環境変化を前提とした企業経営に取り組む事が求められる。
2021年7月27日 北海道中小企業家同友会札幌支部政策委員会
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