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札幌支部経営指針委員会 メールマガジン vol.4

2022.01.21(金)

北海道中小企業家同友会札幌支部
経営指針委員会メールマガジン 「月刊 経営指針」 Vol.4
発行人:経営指針委員会 副委員長 三原広聡

このメールマガジンは、札幌支部会員の皆様に月に一度、同友会活動の根幹となる経営指針成文化運動に関するさまざまな情報をお送りするメールマガジンです。

経営指針委員会が主催する経営指針研究会、その中でも最大のイベントが
「経営指針 中間報告会」です。札幌支部の経営指針研究会のカリキュラムでは1年間で14回に及ぶセッションをこなしながら、自社の経営指針作りを進めていきます。「中間報告会」は、まさにその折り返し点。これまでにグループに分かれて学びながら策定した「経営理念」と「10年ビジョン」を報告し、他グループの仲間やサポーターと議論を重ねることで、多くの気づきを得るための場です。
今年は「第18期経営指針研究会 中間報告会」として10月3日(日曜日)に、直接討論ができる対面形式で無事開催されました。

「経営指針 中間報告会」とコロナ禍
この「中間報告会」、コロナ禍以前は泊まり込みのイベントで、「経営指針1泊研修会」として開催されていました。自社の経営指針作りを通して自らの経営に深く向き合い、研究生同士ですべてをさらけ出し合って議論し尽くすという厳しい研修で、経営指針を修了した誰もが「あれはきつかった!」と語り草になっているプログラムです。

昨年度の第17期中間報告会は感染リスクを避けるために、宿泊も懇親会も排して1日で行う「中間報告会」として開催されました。経営指針委員会では、この「中間報告会の本質は何か?」という点に重きを置き、その内容について多くの議論が重ねられました。その結果、短い時間の中でも出来るだけ多くの研究生と意見を交わし合える「ワールドカフェスタイルの討論会」が採用されたのです。

「第18期経営指針研究会 中間報告会」の実施
そして本年度…収まらない感染流行と国の緊急事態宣言の下、一時はZoomによる開催が検討されました。しかし、研究生の皆さんの熱意はそのような開催を是としませんでした。「Zoomでは本音をぶつけ合うのは難しい。中間報告会は対面で行いたい」という研究生の総意の下、2度の延期に見舞われながらも諦めず、緊急事態宣言明けを待って無事開催に漕ぎつけることができたのです。辛抱強く、準備を進めて下さったサポーターおよび事務局員の皆様には心よりお礼申し上げます。

当日のスケジュールは午前10時開会。午前中は各研究生が質疑応答を交えながら自社の経営理念と10年ビジョンを発表しました。一人の持ち時間は7分。事前に発表のリハーサルを行ったグループもあったとの事で、制限時間内でスムーズに発表される研究生が多い事に驚きました。

13時より遅い昼食を取った後には、1セット65分のグループ討論を、メンバーを入れ替えながら3セット。18時の閉会まで休憩なしで行いました。研究生もサポーターも真剣勝負。研究生同士が互いの理念やビジョンについて質問の応酬を重ねていく中で「自分だけでは気付けなかった」真の問題点に迫っていきます。
レポーターの私、三原もオブザーバーとしてグループ討論を拝聴させて頂きました。研究生の皆さんは例年になく客観的な状況把握をされていて、しかも労使見解についてきちんと理解されていらっしゃる事に驚きました。僕が研究生だった頃は「経営者と従業員が対等だなんてあるわけがない。給料払っているのだから言うこと聞くのは当たりまえ!」という論調が多かったものです。創業経営者、二代目、経営者候補と立場は違っても、意識やスキルの差を感じさせずに、経営者の「覚悟」をもって一歩踏み込んだ議論をされていた事も印象に残りました。

「中間報告会」の意義とは
学びの意義は人それぞれではありますが、私が10年間この中間報告会に出席し続けて感じてきた事、それは何事も自分の肚にきっちりと落とすためにはそれなりの手筈が必要だという事でした。わかったふりや、自分勝手な解釈はすぐに見破られてしまうのです。
そのためか、多くの研究生は中間報告会で疑問をさらに深めて持ち帰ることが多いようです。せっかく作った経営理念を報告会後に見直す研究生も少なくありません。まさに、中間報告会はそのような見直しの場であり、気付きの場なのだと思います。

そして研究生を支えるサポーターや経営指針委員も、その運営において常に反省と改善を繰り返し行っています。時には判断を誤ることもありますし、ましてや最高だった、満足だったという事は一度もありません。
経営指針委員会は、より良い経営指針成文化活動を実現、実践するためにこれからも研鑽して参ります。

次回は、経営指針委員会が運営するもう一つの活動の柱、「経営指針実践セミナー」にお邪魔してその模様をレポートいたします。

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