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札幌支部経営指針委員会 メールマガジン vol.18

2023.03.13(月)

経営指針委員会メールマガジン「月刊 経営指針」2月号
Vol.18(2023年2月28日 発行担当:経営指針委員会 副委員長 三原 広聡)

同友会札幌支部の会員の皆様
このメールマガジンは、札幌支部会員の皆様に月に一度、同友会活動の根幹となる経営指針成文化運動に関するさまざまな情報をお送りするメールマガジンです。

去る2 月17 日(金)に、札幌支部第19期経営指針研究会と第3期経営指針実践ゼミの合同報告会が開催されました。研究生の皆さんは1年間、実践ゼミ生の皆さんは2年半の長期間、お疲れさまでした。
当日は会場に56 名、Zoomで9名のご参加を賜り、盛会の中での発表に修了生の皆様も心が高鳴ったことと思います。

<自分自身の変化を感じて語る7分間>
発表会は19期経営指針研究生19名(1名欠席)の発表からはじまりました。修了生の発表時間は1人7分間。この短い時間に1年間の想いを凝縮して語るのはとても大変なことです。グループによっては発表の予行練習をしたところもあると聞いています。新感染症や激動する国際情勢など、厳しい経営環境のなかで培われた経営指針。素晴らしい発表が続いたことは言うまでもありません。
そして、新感染症を契機に自社の業態を全く違うものに作り替えられた経営者、社長と取締役が共に参加して、互いに成果を持ち寄りながら社内での議論を深めた会社、同友会の他委員会で委員長という要職にありながら謙虚に学び直しをされる経営者など、研究生の多彩さは近年稀にみるメンバー構成だったのではないかと思います。
筆者も各グループに取材でお邪魔しましたが、この一年間どのグループも高い熱量を持って経営指針の成文化に取り組まれていらっしゃいました。修了生の皆さんの発表には、課題に挑んだその時々の想いや悩みが伺い知れて、こちらも感無量になってしまいました。ほとんどの研究生が語っていたのは、1年間では十分に納得できる経営指針を作り込めなかったという事。そして、この1年間の濃い時間で自分自身が変化していったという事です。
皆さんの発表をお聞きして、経営指針成文化の肝は、まさにそこにあるのではないかと思いました。「高名なコンサルタントに高い金額を払って経営指針を作ってもらったが、結局機能しなかった」という話はよく聞きますが、それは経営者自身が悩まなかったからではないでしょうか。経営指針研究会は「完璧な」経営指針を作る場ではないかも知れません。でも、作り方が分かる場なのだと断言できます。労使見解を紐解き、従業員を巻き込みながら次の時代に向かって会社を動かす、まさにエンジンを設計する場です。そして、計画をしっかり立てて実践し、結果を科学的に検証するための武器を手に入れることができる場なのです。完璧なものを作る必要はありません。どのように改善していくかの方法と心構えを研究生の皆さんは身に着けられたのだと思います。
研究生の皆さんはこの一年で自社と自分自身を見つめ直し、環境の変化に対応するための方策を考え抜きました。これからは、計画を実際に動かして検証する「実践」の場へと乗り出していく事になります。

<共通の言語で自社の経営を高め合う実践ゼミ>
「経営指針実践ゼミ」は、経営指針の修了生がグループを作り、「企業変革支援プログラム」に沿って自社の経営を高めていく札幌支部経営指針委員会独自のプログラムです。「企業変革支援プログラム」5章22項目ありますので、月に1項目をテーマに議論しても修了までに2年の月日が掛かることになります(※実際のプログラムは2年半)。
現在経営指針委員会副委員長の小椋俊秀氏の発案と運営で始まったこの通称「実践ゼミ」では、多くの修了生が具体的な経営課題をテーマに互いの経営を磨き合ってきました。今回は第3期実践ゼミが終了したことに伴い、4名の実践ゼミ生が発表を行いました。
実践ゼミにおいては、互いが経営指針を履修しているため、それが共通の言語となって相互理解が進みやすいのが特徴です。自社の経営の現状と目指すレベルを同じ目線と言葉で伝えあい意見を求めることができるのですから、これほど頼もしい仲間は無いのではと思います。その発表内容も非常に深く、率直で自信に満ちたものでした。
なるほどと思えたのが、経営指針を修了した皆さんではありますが「実践ゼミを続けながらも労使見解に対して違和感を持ち続け、最近やっと腑に落ちてきた」という率直なお話や「折角理念を作ったのに自分の理念がしっくりこない…時間をかけて社員と改定してきた」という話の数々。また、実践ゼミ生は相互に経営改善のアイデアを交換し、すぐに自社でも導入するという素晴らしいスパイラルを築き上げており、我が身を振り返っても、こんなに真摯には取り組めていなかったのではないかと思わず反省してしまいました。

今年度「企業変革支援プログラム」が大幅に改定され、これまでSTEP1とSTEP2の2分冊だったものが1冊に統合されてプログラム自体も大幅に更新されました。本来は経営者が一人でも取り組めるよう編纂されていますので、皆様もぜひ手に取って実践されることをお勧めします(同友会事務局で入手できます)。札幌支部の実践ゼミにおいても、新プログラムへの移行を準備中です。

さて、経営指針委員会の今期の活動も終盤に差し掛かり、1年の振り返りのステージに入ってきました。次回は、経営指針委員会での討議を踏まえてそのあたりの話が出来たらと思います。

札幌支部経営指針メルマガvol.18(2023年2月号)

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